バカにはできないケアレスミス その原因は基礎計算能力かも

「問題の解き方は理解しているのに、なぜか間違えてしまう。」

そんな子っていますよね。原因は様々なのですが、実は「基礎計算能力が身に付いていない」ことが原因かもしれません。

私もしばらく気づかなかった

ある中学3年生の事です。問題の解き方はしっかりと理解しているのに、どうしても正解率が低い子どもがいました。集団の一斉授業だったため、一人ひとりに長い時間関われなかったというのは言い訳になってしまいますが、解き方を口頭で答えさせるとしっかりと理解していました。

また、たまたまなのですが、私が見ているときには正解するので、特に問題はないと思っていたのです。

しかし、問題演習を行っていると、他の子に比べてどうしても正解率が低くなってしまっていました。

「ちょっとしたケアレスミスだろう。」

なので、しばらくはそこまで大きな問題として捉えてはいませんでした。

しかし、次の授業、その次の授業でも、簡単な問題でミスをしてしまいます。そのため、付きっきりで問題を解いている所を観察しました。

すると、「掛け算」で間違ってしまっていたのです。時には繰り上がりの足し算、繰り下がりの引き算でも間違えることがあったのです。

そこで、「落ち着いて問題を解いてみたら?ゆっくりでいいから」とアドバイスをしました。それでも多少ミスは減ったのですが、完全にとはいきません。

この子自体は、計算のスピードはとても速いのです。どうやら、スピードを重視した塾に以前通っていたようです。大げさな言い方をしますと「正解率よりもスピード」と言うことです。

この指導は、あながち間違っているわけではなく、上手くハマる子にはハマるのですが、少し指導法を間違ってしまうと、この子のような状態になってしまうのです。

当の本人はどう思っているのか

「当の本人はどう思っているのだろう?」

ケアレスミスを連発している本人に聞いてみました。すると、

「大丈夫大丈夫。簡単なミスだから。」

とあまり重大には捉えていません。単純な計算でミスをしているからそう思ってしまうかもしれませんが、実はそんなことはありません。

重大なミスだろうと単純なミスだろうと、答えは不正解なのです。ケアレスミスだから部分点をもらえると言ったことはなく、不正解は不正解なのです。

このことを本人にも伝えましたが、あまりピンと来ていないようでした。解き方が分かっているという変な安心感があるようです。

10000問中9999問正解

私は子どもによく言います。

「暗算はNG。君の頭はコンピューターではない。単純計算で10000問中9999問正解できるようになるまでは暗算はせず、文字として紙に残すこと」

と。一見とても面倒に思うかもしれませんが、正解率を上げるためには有効な方法です。

ケアレスミスをする多くの子は、単純計算をする時に、暗算を使うことが多いのです。これはスピード重視の指導法が上手くハマらなかった結果です。

例えば次のような問題をどう解きますか?

問題:a+2a+b+c+5a

解き方は人それぞれでしょう。ミスをする子の多くはaと2aと5aを頭の中で一気に計算します。その結果ミスをすることがあるのです。

こういった問題でミスをしてしまう子には、どのように指導するのかというと、「a+2a+b+c+5aの中で仲間を丸で囲む」と指示します。

ただ丸で囲むだけで、正解率はグッと上がるのです。丸を囲むことで、そこに集中するわけなのです。

次に、何問か足し算の問題を解いた後に、次のような問題を出します。

問題:a+2a+b+c-5a

初めに例に出した問題と少し変わりましたよね。実は足し算を連続して解いていると、頭の中では、「次に来る問題も足し算」と思い込んでしまうのです。特にスピード重視で問題を解く子はそう思いやすいです。

この場合においても「丸で囲む」のと、「符号に注意」と言うのを何度も言って意識させます。

初めのうちは子どもも「何でこんなに簡単な問題に一生懸命にならなければいけないんだ」と言った感じになるのですが、ミスをする事実を受け止めさせることで、しっかりと取り組むようになります。勿論、そういった反論をする子には、その子に合った説得の仕方で説得をします。

単純計算能力向上は全ての数学に繋がる

単純計算能力を向上させることは、数学全てに影響をもたらしてくれます。

もしこの記事を読んでいるあなたに子どもがいるのなら、一度九九を言ってもらってみてください。案外、間違って覚えている子どもは多いものです。または、ツカえてしまって「え~っと・・・」となってしまう子もいます。

間違わなくても「え~っと・・・」となってしまうのも私はNGと言っています。スラスラ出てこなければいけません。

九九で多かった間違いは「反対に言ってしまう」と言うことです。つまり例えば7の段。

7×1=1 (シチイチガシチ)
7×2=14(シチニジュウシ)
7×3=21(シチサンニジュウイチ)
7×4=28(シチシニジュウハチ)

普通はこういった感じで覚えますよね。しかし中には次のように覚えている子どもがいるのです。

7×1=1 (シチイチガシチ)
7×2=14(シチニジュウシ)
3×7=21(サンシチニジュウイチ)
4×7=28(シチシニジュウハチ)

途中から入れ替えてしまっているのです。こういった子が1人ではなく、今まで指導をしてきた子どもの中に、何人かいたのです。どうやら言いやすいとのことですが、正確に覚えたほうが良いです。答えがあっているからいいのでは?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

少し理論立てて説明します。

ケアレスミスをする子どもは、暗算をする子が多いです。つまりすぐに答えを出そうとします。つまり計算と言う作業に手間をかけたくない、そしてスピードが速い方が良いと思ってしまっています。するとやはりミスをします。

負のスパイラルです。

なので、まずは計算に手間をかけさせる練習をさせます。とにかく暗算をせず、紙に書く。また、1つの時方以外でその他の解き方も考えさせる。そして、どうやって解いたのかを説明させる。

説明することは意外に難しく、説明が適切にできるということは、頭の中で理論立てて、しっかりと理解していることになります。

あくまでもこれは1つの方法で、他にも方法はあります。その子に合った方法を探してあげる必要があります。

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